瞳孔間距離 (PD:Pupil Distance) とは、文字通り瞳孔と瞳孔の間の距離です。
PlayStation VRを使用する際は、この瞳孔間距離についてあまり気にする必要はありませんが、VR機器によってはこの瞳孔間距離の調整が必要なものがあります。
瞳孔間距離とは
瞳孔とは眼球の中心、いわゆる「瞳」です。
右目の瞳孔から左目の瞳孔までの長さを測った数値が「瞳孔間距離」にあたります。
図で表すと上記の通り。
普段裸眼の方には馴染みのない言葉かもしれませんが、眼鏡を購入する場合などはこの瞳孔間距離を踏まえて眼鏡のサイズやレンズの調整などが行われます。
瞳孔間距離は人によって異なる
瞳孔間距離は人によって異なるため、前述のように眼鏡を購入する場合などにこの瞳孔間距離が重要になります。
この瞳孔間距離の調整が不十分な眼鏡を使用し続けると、目の疲れが大きくなるだけでなく、近視の進行など健康上にも影響が起こるとされており、注意が必要です。
VRデバイスは眼鏡でモニターを見ている状態
PlayStation VRをはじめとしたVRヘッドセットデバイスは、眼鏡と同じようなレンズを使って内蔵された液晶モニタの映像を拡大して観るような仕組みになっています。
そのため、VRヘッドセットを使用する場合は、ユーザーがそれぞれ自分の瞳孔間距離に合った眼鏡を着用するように、デバイスを着用した際に自分の瞳孔間距離に合わせてレンズの位置を調整する必要があります。
この調整が不十分だと、瞳孔間距離の調整が不十分な眼鏡を使用したときと同じような症状が起こる場合があります。
PlayStation VRにおける瞳孔間距離の調整
VRヘッドセットデバイスでの瞳孔間調整方法の代表的なものとして、左右のレンズを可動式にして調整する方法がありますが、PlayStation VRでの瞳孔間距離の調整はちょっと特殊なものとなっています。
レンズの距離は調整できないけど、影響は小さい
PlayStation VRでは、左右のレンズは固定されており、機械的にレンズを動かして調整することができません。
その代わり、使われているレンズは瞳孔間距離に余裕を持たせた光学設計になっているとのこと。
瞳孔間距離が異なっても見え方には影響が小さいレンズを使用している、ということのようです。
また、左右のレンズの瞳孔間距離については63.5mmとして設定されているとのこと。
瞳孔間距離は成人の平均値で、男性が約64mm 女性が約62mmとされており、PSVRでの設定値はおよそ平均値であるといえます。
これらによって、瞳孔間距離の違いによっても影響が起こりにくい構造になっているとのことです。
PlayStation 4の本体設定などから調整も可能になる
また、これらの機械的な構造だけでなく、ソフトウェア的に瞳孔間距離を調整する機能も搭載されます。
これはレンズの位置を動かすのではなく、液晶画面に表示される映像の表示位置を補正するような機能だとされています。
現段階で設定方法などは明らかになっていませんが、PlayStation 4の設定画面などで、ユーザーアカウントと紐づけて瞳孔間距離の調整を行う形になるのではないかと思われます。
いずれにしても、デバイスの設定は個人ごとにきちんと行うことができるようになっていますので、映像の見え方に違和感がある場合などは十分に調整を行い、正しい設定でPlayStation VRを利用するようにしましょう。