PlayStation VRのデザインをよく見ると、後頭部側のベルトのパーツが大きくなっていることがわかります。
このパーツにはどんな機能が隠されているのでしょうか?
VRヘッドセットのデザイン
各社から発売されているVRヘッドセットのデザインは様々です。
スマホを使うような簡易的なものは、頭に固定せず双眼鏡のように覗きこむものも多いですが、本格的なVRヘッドセットは頭部をぐるっとヘッドバンドで固定するようになっています。
VRは時に激しく頭を動かすような動作があるため、このヘッドバンドの固定が中途半端だと、ヘッドセットがズレて外の光が視界にはいり込んだり、ヘッドセット自体が外れてしまったりするかもしれません。
没入感を第一とするVRコンテンツにおいてはヘッドセットをしっかり固定することが非常に大事な要素になります。
PlayStation VRではヘッドバンドだけでなく、おでこから頭頂部に伸びるパーツによって広い面積でヘッドセットが固定されるため、非常に動きに対して強い構造になっています。
PlayStation VRって、結構重い
また、VRヘッドセットはやっぱりそれなりに重いもの。
近い未来はどんどん小型化、軽量化が進んでいくのでしょうが、現在VRヘッドセットの重さは400gから700gくらいのものがあります。
軽ければ軽いほうがきっと快適に違いありません。
ということで代表的なVRヘッドセットの重さを比較してみると、
- Oculus Rift:470g
- HTC Vive:555g
- PlayStation VR:610g
となっており、なんとPlayStation VRは「結構重い」んですね。
では、これによってPlayStation VRの使い心地が悪くなっているのかというと、実はそうではありません。
大事なのはバランス
ヘッドセットのつけ心地は全体の重さだけでなく、「バランス」が重要です。
バイク用のフルフェイスのヘルメットなどは、1kgを超える重さのものも多くありますが、実際に着用してみると重さそのものを感じ続けることは少ないと思います。
それは、ヘルメットは全体的に頭を覆うような作りになっており、重みの偏りが少ないからです。
「1kgのヘルメットをかぶった場合」と、「500mlのペットボトルをおでこに貼り付けた場合」(変な絵面ですが…)でイメージしてみると、「ペットボトルおでこ」の状態がいかにアンバランスで疲れる状態かが判ります。
ヘッドバンドだけでVRディスプレイを固定した状態、と言うのはまさにこの「ペットボトルおでこ」のような状態というわけです。
これでは常に首の筋肉に負荷がかかっているようなもの。長時間の利用は疲れてしまいます。
PlayStation VRの後頭部には「重り」でバランスをとっている
PlayStation VRの後頭部に入っている部品は、精密部品ではなくただの「重り」が入っています。
本当に、ただの「重り」です。
しかし、これがPlayStation VRの使い心地に大きく左右しています。
PlayStation VRを手にする機会があったら、額の上の黒いパーツの上のところに人差し指を引っ掛けて持ち上げてみてください。
前のめりに落ちてしまったりすることなく、ちゃんとゴーグルが水平に向いた状態で持ち上げることができます。
これはつまり、PlayStation VRの重心が頭の中心に近い位置にあるということ。
後頭部側の重りはこのバランスを取るためにあえて追加されており、これによってフルフェイスヘルメットのようなバランスの取れた重量配分の作りになっているということです。
実際に装着してみるとまたその違いがよくわかります。PlayStationVRは確かにそれなりの重さはあるものの、この重量バランスのおかげで、首の負担はより小さく長時間の利用でも疲れにくいと感じていただけると思います。
PlayStation VRで長時間遊んでも疲れにくい秘密。それがこの後頭部の「重り」です。