とっても気まずいトレーラーで話題になったPlayStation VRですが、フランスで開催されたイベント「Paris Games Week」で、SCEワールドワイド・スタジオの吉田修平氏が、「PlayStation VR」について、メディアDigital Spyからのインタビューに答えたそうです。
その中で、PlayStation VRの発売日は2016年まで明かされないことや、PlayStation VRのハードウェアの価格は十分な利益が取れない価格になる(インストールベースの収益を獲得するため)との説明があったそうです。
家庭用ゲーム機の収益の基本「インストールベース」
WiiUのゲームをPlayStation 4で遊ぶことができないように、一般的に家庭用ゲーム機には互換性がありません。これは「インストールベース収益モデル」という仕組みをとっているためです。
ジレットの髭剃りの替え刃がシックの髭剃りに使えないのも、ニコンのカメラ用の交換レンズがキヤノンのカメラに取り付けることができないのも、「インストールベース」によるものです。
前述の例のように、インストールベースとは、交換が難しい土台となる製品(ゲーム機本体や髭剃りのグリップ、カメラの本体)を購入してもらうことで継続的に消耗品や周辺機器、ソフトウェアで利益を上げる仕組みです。
WiiUやXboxOneのゲームがPlayStationで動かないのは「ビジネスとして当たり前」なんですね。
ゲーム機本体は利益度外視で販売されてきた
この「インストールベース」に従うと、ゲームの売り上げは土台となるゲーム本体の販売台数に大きく左右されることがわかります。
ゲーム機本体が1万台売れていれば、ゲームは最大でも1万本しか売れる余地がない。でもゲーム機本体が100万台売れていれば、ゲームは100万本売れる余地がある。
とすると、1台でも多く土台となるゲーム機本体を売った方がよい。というのがビジネスで当然の戦略になります。
とはいえ、ゲーム機本体をタダで配るわけにはいかないので、可能な限り値段を下げてユーザーに買ってもらう必要があるわけです。(実際に数万円のハードウェアを完全無償で配布し、サービスで利益を上げた例もあります。携帯電話などがよい例)
普通は仕入れや組み立てにかかる費用よりも安い値段で商品を売ってしまうと「赤字」になりますが、もし、100万人に商売ができる「土壌」ができれば、その赤字分はゲームの販売で取り返すことができます。これまで、ゲーム機本体はこういった考えのもと、シェア獲得を重視しギリギリの価格設定でゲーム機本体を販売してきました。
PlayStation VRの価格は「かなり安く」なるかも!?
今回のインタビューを見るに PlayStation VR は今後出てくるであろう類似のハードウェアや、すでにゲームのシェアを大きく取り上げられたスマホなどにも十分な競争力を確保するため、戦略的に価格を大きく下げてくると読み取ることができます。
PlayStation VRが本気でVRの天下を取りにいく!という意気込みとも取れます。
Oculus Riftが話題になっていますが、まだ類似するハードウェアが少ない現状では、ユーザーはどれくらいの金額で「これは安い!」と感じるのか設定が難しいと思いますが。。。ここで普及の後押しになるよう価格設定を頑張ってほしいです。
個人的には、税込みで3万円を切る 29,000円くらいの価格だと即決!て感じですかねぇ。ぜひ期待したいです。
とっても気まずいトレーラー